メッキが剥げる

メッキ」という言葉を聞いてまず思い浮かぶのは、情けないことに歯科治療です。今ならクラウンと言うんでしょうけれど、目立つ金歯はさすがにないものの、奥歯には銀歯が被せてあるし、ひと昔前は歯医者さんもメッキを被せると言っていたように思うのは、思い違い…のようです。

というのも、治療で被せた銀歯が何かの拍子で取れてしまった、というありがたくない経験をした時に、「メッキが剥げる」という言い方はしないからです。歯科医院でも、被せものが取れた、あるいは、はずれた、と表現します。広辞苑によると、「メッキ」というのは「金属の薄層を他の物の表面にかぶせること」だそうで、その意味では歯科治療もあてはまるのですが、「他の物」というのは主に金属であるらしい。「メッキが剥げる」という言葉は、薄層の金属が剥げて、中の金属が見えてくることを言い、転じて、外側の飾りがとれて悪い中身が露わになる、つまりは本性が表れる、という比喩にもなっています。本来メッキは、あまりよろしくない中身を隠すのが目的で施されるもののようで、どうもあまりいいイメージではないようです。とはいえ、実際にメッキを施す時は、強度を高めたり、腐食を防いだりと、実用的なメリットを求める場合が多いのです。剥げなければメッキも本物、と思うのですが。