石灰石の城

ノイバンシュタイン城1886年、ルートヴィヒの死で建設が中断された美しいノイシュバンシュタイン城は石灰石で構成されているが、いずれも付近の山から切りだされたものである。石灰石は堆積岩の一種でセメントの原料になる。石としては柔らかく風化しやすい石材で加工もしやすい。

石灰石を床石として敷き詰めると、日本建築の土地仕上げの三和土に似て優しい感じになるので美術館などに多く用いられる。産地により色調が微妙に異なるので、採用時に空間の大きさや面積、明るさなどを配慮して選定しなければならない。石の建築は崩壊しても、ほかの材料のように消滅することなくストックの文明として生き続ける。これを見る人間があたかも石に情念があるように錯覚する。

石造りの日本の古い建築は、地震や地盤の関係もあり建築技術は育たず、残存する顕著なものは城壁基礎の土留めの石造りである。石垣の積み方には空積みと継ぎ目にモルタルを充填する練積みがあるが、空積みは裏側の水が表面に流出するさいに土砂が流出しないよう山砂で裏込めする必要があり、練積みは水抜きのパイプを入れる。